
今回は、難易度高めスタッコフレックス吹き付けについて、トライズ本多が解説していきます。
《目次》
施工の前に確認する3つの事
1・境界線からどのくらい離れているのか
2・色は決まっているのか
3・サイディング業者さんはどこか
ベースコートから下吹き、仕上げ吹きまで
下地処理:PRMべースコート
吹き付け:下吹き、仕上げ吹き

今回は難易度高めスタッコフレックスの吹き付けについてです。
てことで、本多さんお願いします。

はじめまして、トライズ本多(ホンダ)です。
宜しくお願いします。
私たちはほぼ20年間毎月どこかで「スタッコフレックス」を吹き付けしてきています。
経験値は国内トップクラスだと自負しております。
ここ数年インスタなどからDMを頂き、どんな道具を使っているのか、チップは何ミリなのかそういう問い合わせを頂きます。
この記事では「スタッコフレックス」を吹き付けた時にどうしても吹きムラができてしまう。
そんな悩みを抱えている同業者さんに、私たちなりの解決策をお伝えしようと思います。

スタッコフレックスって難しいのですね。
普段どんな流れで進めているかから教えてください。

はい、
特に初めてのお客さんの時、施工の前、見積もり段階で普段確認している3つの事があるので説明しますね。
依頼が「吹き付け」だった時、まず確認したい3つの事
まず新規で依頼を請けたときにパターンと色を確認してお見積りを作るのですが、その時パターンが「吹き付け」でしたら担当者さんに連絡し確認することがあります
- 境界線からどのくらい離れているのか、
- 色は決まっているのか、
- サイディング業者さんはどこか、
この3つは確認するようにしています。
1・境界線からどのくらい離れているのか
境界線からどのくらい離れているのか、という点は、かなり重要です。
これは足場を安全基準の許す範囲でギリギリまで離してもらうことが出来るのかを相談するためです。
一般に躯体と足場の隙間は30㎝以内となっています。30㎝でしたら余程のことがない限り綺麗に吹き付けできますが、これが近すぎるとき、内側の建地(柱)が壁に接近し建地(柱)の両側から吹いたときに影が出来たりします。
これを避けるために内側の建地を抜いてもらい片側一側の足場にしてもらうか、それでも近い場合は吹き付けを断念してもらい、鏝塗りのフラットに変えてもらう必要が出てきます。

2・色は決まっているのか

色は決まっているのかについては、色によって価格が変わることもそうですが、なにより吹き付けの際にムラが気になりやすい色があるからです。
特に黒やグレー系などを選ばれているのであれば、ムラのリスクを伝えておく必要があります。
あとから言ってもなかなかトラブルの解決にはなりません、足場の近さも含め先にリスクは伝えておきましょう。
色が決まってない場合も上記の情報は伝えておいた方が良いでしょう。
3・サイディング業者さんはどこか
サイディング業者はどこか確認することがなぜ必要か、貼ってあればいいじゃん。
と思う方もいるかと思いますが、実は目茶目茶重要なのです。
詳しくはこのブログ内の「サイディング下地の胴縁についてー縦胴縁?横胴縁?どっちがいいの??」を読んでいただけたらと思います。
サイディング業者さんを確認した時に、知っているところでしたら問題ありませんが、初めて聞くところだったりすると、工事が決まってからにはなりますが、繋げて頂き、可能であれば事前の打ち合わせをさせて頂いています。
簡単に伝えますと、サッシ廻り、入角以外シーリングはNGだからです。この記事を一通り読んで頂き、その上でサイディング業者さん、または担当者さんと注意点を共有しておくことが重要だと考えます。

■関連記事 サイディング下地の胴縁についてー縦胴縁?横胴縁?どっちがいいの??

工事前に確認することが大事なのですね。

そうですね、工事初日に足場が近いとか、サイディングの貼り方が違っているとか判明したらそのまま予定が大きく変更になるし、足場の盛替え費用やサイディングの是正費用など、どこかが負担しないといけなくなるので初めてのお客さんにはまず最初に注意点を共有してもらっています。

なるほどー、
では、実際の施工の際注意することや、コツなんかあれば教えてください。

では、下地処理から順に説明しますね。
ベースコート(樹脂モルタル)から下吹き、仕上げ吹きまで
下地処理:PRMべースコート
まずは下地処理ですね、弾性のパテではなくて専用の樹脂モルタル(PRMベースコート)を使用するのですが、なるべく平滑に意識します。
仕様によって全面にネットを伏せ込む方法と、ジョイント部分にのみメッシュで補強し全面塗る工法がありますが、平滑を心掛けるのは同じですね。
この工程を左官屋さんに依頼する塗装屋さんもいるそうですが、トライズでは自社で施工していきます。
これ、絶対に自社で施工したほうが良いです。
難しいことでは無いので時間かかっても覚えた方が良いですね。


※ 樹脂モルタルは硬質です!「シーリングの上は塗らない」のが基本です、後に外れて浮いてきたりしますよ!
なぜ、自社で施工した方が良いのか…
もちろん外に出すより内製化したほうが利益を残せるというのが1番ですが、吹き付け下地の許容範囲は吹き付けをする職人さんが良く分かっていますからね。
特に、このPRMベースコートは完全に乾燥すると凄く硬くなります。逆にその日の内なら簡単にペーパーを当てる事も出来ます。
つまり、出角や気になる鏝波の跡も簡単に整えられるということです。
1,2軒続けてやればすぐに塗れるようになりますよ。
吹き付け:下吹き、仕上げ吹き
下吹き、仕上げ吹きと聞くと2回吹きと捉えられがちですが、私は通常3回から4回吹きで納めています。
ジョリパットなんかと違う点は、1回目の時に少し硬めの材料で吹き付けながら、鏝でサッと押えています。
サッと押えることで不陸や、ベースコートの鏝波の跡を平滑にすることが可能です。
これをすることで格段にその後の仕上がりが綺麗になるので、面倒くさがらずにこの作業は絶対やった方がよいですよ。
そして2回目の吹き付けで下地が見えないくらいまでにします。
ここまでが私の言う下吹きになります。
そして仕上げ吹きの3回目、4回目ではリシン吹きの感じでムラを消していきます。
2回目の時点で吹きムラがあっても慌てなくていいです。ちゃんと3回目、4回目でムラは消えますので。
ただし、1工程ごとしっかり乾燥させることを心掛けてください。
これは滅茶苦茶重要ですよ!


それと、これは基本中の基本ですが、コンプレッサーやホース、ガンなどの手入れや、使用前の動作確認は必ずやらないとですね。
失敗した人から時々聞くのですが、「ホースが劣化していた」、「ガンのノズルが詰まっていた」と言うメンテナンスを怠っていたのが原因だったりすることもありますので。
私のセッティング


※ノズルはスタッコ用8.0㎜を使用しています。
●SEIWA マルチガン BG1を使う理由●
個人的に「掃除のし易さ」と「細かなパターン調整が可能」からこのガンを使用しています。
工程ごとに乾燥させる事が重要な理由とは…
スタッコフレックスはもちろんですが、これは他の材料にも言えて、材料の多いところと少ないところがあるからムラになるのは理解してもらえると思いますが、少ないところはすぐ乾くのに対し、多いところは乾くのに時間がかかります。乾いていない上からムラ消し作業をしても消えないのです。リシン状に目を立たせてて「テカり」を消すのですが、乾いてないところへ吹いても目が立たないので「テカり」は延々消えることはありません。「しっかり乾かす」事さえ守れば吹きムラなんて怖くないですよ!

本多さんが言うと説得力ありますね!

二十年以上やってますからねー。 いろいろ失敗もありましたし、材料は違えど月4,5軒吹いてますからね。
年間50軒としても、もう1000軒くらい吹いていることになるでしょ。
自分でも恐ろしくなります。

すごい! いやー、勉強になりました!ありがとうございました。

スタッコフレックスの特徴とかは「弾性塗り壁材と超弾性塗り壁材Stuc-O-Flex・スタッコフレックスの違いは?」を読んでもらうと書いてありますし、その他「小粒ロックS編」には吹き付けの事を書いてあるので是非読み返してもらったらと思います。


この記事の回答者 本多より
塗装屋さんは許可業者数ベースで1.7万社いると言われ、無許可の個人事業主を含めたら47万社以上存在すると言われています。
その中で「吹き付け得意です」という業者が何社いるのでしょうか?
相当少ないと思います。
逆にこれは、チャンスではないでしょうか。
今からでも吹き付けを覚えたい、スペシャリストになりたいと真剣に考えている人がいましたらいつでも連絡ください。きっと力になれると思います。
毎日、どこかしこで施工していますので遊びに来てくださいね。
本多 高明 ほんだ たかあき
有限会社トライズを創業当時から支える職人
県外からも指名で呼ばれるほどの経験と確かな腕を持つ
趣味は釣り
社内では仲間想いの兄貴(お父さん)的存在
有限会社トライズ
愛知県安城市で塗装と左官を融合した特殊塗装や塗り壁、吹き付けのプロ集団です。
内装、外装仕上げにおいて常に新しいもの、機能に優れたもの、心奪われるものを探究しています。
〒446-0031
愛知県安城市朝日町14-12
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