私が感じた高級塗材「スタッコフレックス」の活用法
《目次》
・アメリカ産まれのスタッコフレックス
・塗り厚の70%まで追従する弾力性
・スタッコフレックスの価格
・サイディング下地での下地処理の違い
・スタッコフレックスを勧めたい人
・多彩なパターン



はじめまして
トライズの乙成(オトナリ)です
今回は、「ジョリパット」と「スタッコフレックス」の違いは?「ズバリ、どっちがいいの?」
とよく聞かれるこの質問について、少しだけ踏み込んでお伝え出来たらと思います。
というのも、トライズはアイカジョリパットの施工店会に加入していますし、スタッコフレックスのパートナー施工店も加入しています。
これは、どちらにも良いところがあり、お客様のニーズに対応する為に、それぞれの長所を活かしお客様に提案する為です。

では、スタッコフレックスについてお願いします
アメリカ産まれのスタッコフレックス

はい、分かりました
アメリカのシアトルに拠点を置くスタッコフレックスですが、40年以上の歴史があります。
日本で販売されて20年以上経ちますが、アメリカ本土(ハワイ諸島含む)をはじめ、欧州、ロシアの極寒地域や東南アジアの熱帯地域でも販売されています。
優れている点は「耐候性」と「弾性力」になります。

上の写真は年間150日雨が降ると言われるシアトルで40年以上前に施工された物件です。
写真からも想像がつく通りその耐候性は「超」がつくほど優秀です。

特徴は耐候性と弾性力なのですね
塗り厚の70%まで追従する弾性力!

はい、スタッコフレックスが「超弾性」と言われる所以が塗り厚の70%まで追従するからと言われています。
これは、例えば下地にひび割れが起こった時、2㎜塗ってあれば1.4㎜のひび割れまでは耐えてしまうという意味を表します。
マニアックなお話し
もともとスタッコフレックスはパーマチンクというログハウスのチンキング材(隙間を埋めるシール材)を製造しており、パーマチンクの技術を応用して開発した塗り壁材です。
環境の厳しいログハウスの隙間を埋める技術とノウハウが詰まっていると言えます。
なお、パーマチンクは現在でも世界で圧倒的なシェアを誇っています。
通常の優秀な弾性塗り壁材の追従率が50%程度と考えると驚異的ですよね。

それは凄いですね!
クラックの心配はスタッコフレックスなら解消できますね!

ただし、耳にするトラブルの中に、その追従率を過信して薄塗りで納めてしまう施工業者さんが時々いたんですね。
そこで「割れないはずのスタッコフレックスでひび割れが出た」と騒いでいる人がいました。
なので、トライズではスタッコフレックスとは言え、普段から2㎏~2.7㎏/㎡以上塗るように心がけています。
ここが少ないとスタッコフレックスでも破断してクラックの原因になってしまうのです。
アメリカではその1.5倍近く塗っている印象です。そしたら絶対に割れませんよね。

せっかく高価な材料で仕上げたのに、ケチると元も子もなくなりますね
スタッコフレックスの価格

高価な材料ってサイトーさんも言ったようにスタッコフレックスは輸入建材なので、世界の情勢や為替の変動に非常に敏感ですね。
仕方のないことではありますが、トライズも海外製品で施工する場合の見積もりの期限は短めにするようになってきました。
品質の面では全く弱点は見当たりませんが、悩ませるのは「価格」の部分だけですね。
それでも根強い人気がある商品なので、トライズは少しでも単価を抑えられるように「スタッコフレックスパートナーズ」に加盟して毎回パレット単位で購入し在庫しています。

サイディング下地での下地処理の違い

また、サイディング下地での下地処理の仕方も国産メーカーと欧米メーカーでは違いがあります。
国産メーカーさんはサイディングのジョイント処理に弾性目地処理材を用いるものがほとんどですが、逆に欧米のメーカーさんはほとんど樹脂モルタルを使います。
恐らく乾式のサイディングを下地して塗り壁にするという流れが日本特有なのかもしれませんね。
これは私見なのですが、欧米メーカーの下地処理は樹脂モルタルとメッシュで外壁を固めていると考えがちですが、実は目地を埋めて下地をフラットにするための意匠的な意味と、クラックを防止する補助的な意味での下地処理だと思います。
なので、樹脂モルタルとメッシュで全体を覆っているから、仕上げは薄塗りで大丈夫。という考えがもしあったならそれは危険なことだと思います。何度もいいますがとにかく仕上げ材の薄塗りはダメですよーという事ですね。

スタッコフレックスを勧めたい人

20年前は扇型のパターンやランダムに厚塗りするパターンが流行っていましたが、近年はモダニズム建築が注目を集め、スクエアでモダンな建物が増えてきましたね。
そういった中でも、シンプル且つ手作業を感じる塗り壁を求めるお客様には響くのではないでしょうか。
モルタル下地だけではなく乾式の下地の上でもあっさり仕上げられるのは、スタッコフレックスが最適ですね。
また、改修工事の際、思い切って塗り壁に変えたいと希望される場合や、モルタル下地でひび割れを悩んでいるお宅もスタッコフレックスの弾性が生きてきますね。
下の画像は、横貼りのサイディングから大きくイメージチェンジしたいという依頼で塗り壁の外壁にスタッコフレックスを採用したbefore/afterになります。




トライズのHPにも改修工事で普通のサイディングから、塗り壁に変えた施工事例を掲載していますのでチェックしてみてくださいね
リフォームのページ:トライズHPより

他の材料はどうなの?
スタッコフレックスは塗り厚の70%追従すると言われていますが他はどうなのか?
例えばアイカ工業のジョリパットの弾性JQ650は塗り厚の50%ほどと言われています。但し、メーカー保証が得られる「大壁工法」では5㎏/㎡塗布します。これは、約3㎜程度の塗り厚になりますので、理論上は1.5㎜の下地に耐えれる動きという事になります。

聞けば聞くほど迷いそうですが、輸入車と国産車の棲み分けのイメージですかね
ジョリパットのようにパターンもいろいろあるのですか?
多彩なパターン

輸入車と国産車はかなり分かりやすくて近いイメージかもしれませんね。
パターンですが、現在スタッコフレックスのホームページ上では「27種類」掲載されていますね。この中でも「SAND 吹付」「SAND プラスター」「ラフ」などはよく出ていますよ。
カラーは基本カラーからリッチカラーを合わせて30色ですが、もちろん日塗工などの色を特注でオーダーすることも可能です。



SAND プラスターは私も現場へ写真や動画を撮りに行っていますので、実際に間近で見ています
すごくあっさりに見えてフラットに近い仕上げですが、超弾性だからひび割れの心配も必要ないのですね。いろいろ勉強になりました!
乙成さんは、「パッシブウォール(アイカ)」、「ドライビット(サンクビット)」、「sto(stoJAPAN)」といった外断熱も良く施工されていますよね。
機会があったらこちらの解説もお願いします!

そうですね
その外断熱メーカー3社共、トライズは施工店させて頂いていますので機会があればじっくりやりましょう!
今回は、スタッコフレックスの商品紹介のみでしたが、実は施工方法、特に下地処理は、ニチハ、アイカの大壁工法と大きく異なります。またの機会にこちらの施工ポイントや注意点なんかもお伝え出来たら思います。
この記事の回答者:乙成より
「比較」というわりに大して比較できませんでしたが、結果、スタッコフレックス、ジョリパット、また他メーカーの材料も塗り壁に対しての「クラックの対策」はどこも十分にされていると思います。
また、性能だけでなく施工のマニュアル、下地に至るまで、事細かく研究されていると思います。
後は、携わる施工業者がどれだけ理解していてどれだけ経験値が高いのか。
これに尽きると考えます。
愛知、岐阜、三重、静岡の東海地域はもちろん、ご依頼下さればどこでも伺います。さらにトライズは全国に優秀な施工業者の「仲間」もいます。
「業者を紹介して欲しい」と言われる工務店さんのお力になれると思いますので、その際はご連絡お待ちしております。
乙成 明志
有限会社トライズを設立当初から支える
豊富な知識と経験で職人としても管理者としても信頼は厚い
趣味は家族、高校野球観戦
トライズの最年長、あだ名は「博士」
有限会社トライズ
私たちは、愛知県安城市を拠点に「塗り壁専門業者のトライズ」を認知していただくため約20年間塗りまくっている「有限会社トライズ」です。
おかげ様で県外よりお声掛けいただく事もあり、少しずつ認知してもらってきたかなと実感しています。
このブログでは「塗り壁は良いんだけど高いし、リスクある」という工務店さんや、お施主様の意識を変えたい!
という想いで情報を発信していけたらと思います。
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