
前回、エンシェントブリックについて鈴木さんにいろいろ伺いました。
今回は小粒ロックSについてですね。
本多さんよろしくお願いします!
《目次》
■小粒ロックS仕上げとは
■小粒ロックSの施工ポイント
1.「施工の手引き」にある配合を守る事
2.事前に足場のチェックや現場環境の確認をする事
3.コンプレッサーや道具を確認する事
4.2回吹きではなく、”3回”吹きである事

私の認識だと・・・エンシェントブリックは鏝で仕上げていて、小粒ロックSは吹き付けの仕上げですが、合っていますか?

はじめまして、トライズの本多です。
そうですね、正解です!
小粒ロックSは吹き付けで仕上げるパターンです。
一般的に、鏝を使うのは左官屋さん、吹き付けをするのは塗装屋さんだと思っている方が多いですが、元々吹き付け工事は、塗装工事ではなく、左官工事の中に分類されています。

そうなんですね!
私も鏝を使うのが左官屋さんで吹き付けをするのは塗装屋さんだと思っていました。でもトライズのみなさんは両方できるので”器用だなー”と思っていました。

うちは塗り壁専門なので必然的に両方できる職人が集まっている感じですね。
今回は私の経験を踏まえて、小粒ロックSの説明と施工の際のポイントをお伝えしますね。
小粒ロックS仕上げとは

前回からの大壁工法の流れで説明しますね。
大壁工法については「塗り壁専門トライズ職人が質問に答えます」をご覧ください。
大壁工法の保証対象のパターンで、吹き付け仕上げは主に「ロック」と「小粒ロックS」になります。
他に、吹き付けた後鏝や道具で模様をつけるパターンのありますが、そちらはまた今度紹介しますね。
「ロック」と「小粒ロックS」の違いは模様の粒の大きさ違いです。


”ロック”は模様の粒が大きく、印象としては「重厚でゴツい」
”小粒ロックS”がロックよりも粒が小さくおとなしい印象です。
この2パターンの施工数を比較すると、ここ数年は圧倒的に小粒ロックSのオーダーが多いですね。

そうなんですね。
どちらもそれぞれ雰囲気があっていいなと思いますが、まずはサンプルを依頼して実物を確認するほうがよさそうですね。
サンプルは工務店さんに依頼すれば1週間から10日ほどで届きますし。

では次に施工のポイントを伝えていきましょう!
小粒ロックSの施工のポイント

小粒ロックSの施工ポイントは4つです!
1.「施工の手引き」にある配合を守る事
2.事前に足場のチェックや現場環境の確認をする事
3.コンプレッサーや道具の確認をする事
4.2回吹きではなく、”3回”吹きである事
1.「施工の手引き」にある配合を守る事
施工の手引きにある配合を守る大事さは前回の「エンシェントブリック編」で鈴木が唱えていた通りです。大事な事なので必ず守ってください。
2.「事前に足場のチェックや現場環境の確認をする事

足場があまりにも近いと吹きムラは必ず出てしまいます。
そういったリスクをしっかり伝え、工事の前に現場確認して、足場が近すぎる場合は担当の現場監督さんに相談し、盛り変えてもらう必要があります。
また、近隣に駐車場がある場合などカーシートの準備も必要となりますので必ず事前の現場確認をし、担当現場監督さんと協議をし飛散防止に努めます。
サイディングの不陸なんかもこの時チェックしてくださいね。
不陸:全体が平でないさま。凹凸があること。

飛散のトラブルは嫌ですね。
うちは施工数が多いわりにあまり聞きませんが、何か他に対策をされているのですか?

はい、通常足場には養生ネットが掛けられていますが、私はその上からもう一枚ネットを掛けています。二重ネット張ることで隙間を無くして飛散防止に努めています。


3.コンプレッサーや道具を確認する事
事前の点検や普段の手入れは当たり前のことなので省きますね、コンプレッサーは馬力を確認してください。
通常吹き付けは2馬力のコンプレッサーで十分ですが、小粒ロックなど厚吹きをする場合は3馬力を推奨します。
大きな現場などで、コンプレッサー込みでお手伝いに来てもらう場合なども3馬力で揃えるようにしています。
2馬力ですとエアーの供給が追い付かなくなり、模様の大きさが揃わなくなります。これが吹きムラの原因にもなります。
ガンも同様で、2人以上で仕上げる場合、ガンの種類やノズル口径がバラバラだとパターンも揃わないのでその辺りもチェックする必要がありますね。


機械や道具は重要ですね。
そういえば先月新しいコンプレッサーが届いていましたね!

普段の点検やオイル交換も車と同じで大事ですよ!
私のセッティング


※ノズルはスタッコ用8.0㎜を使用しています。
●SEIWA マルチガン BG1を使う理由●
個人的に「掃除のし易さ」と「細かなパターン調整が可能」からこのガンを使用しています。
4.2回吹きではなく”3回吹き”である事

施工マニュアルを見ると、ほとんどの材料がメーカーでは2回吹きとありますが、5㎏/㎡を2回で納めるのって実は目茶目茶大変なんです(笑)
よく、マニュアル通り2回吹いたけど、材料が何缶も余ったって人の話を聞きますが、それは「2回吹いた」だけなんですよね。なので、私は2回吹いたあと、もう一回ムラ消しの為に全体にシャーっと吹くようにしています。
大壁工法の場合は特に塗布量を守る事で保証を担保される訳ですから、規定量を吹き切る事が重要です。
その後、養生ネットを外し、ムラが出来ていないか確認作業までする事が大事ですね。

すごーく大変なことは伝わりました(笑)
トライズによく同業の塗装屋さんから「小粒ロック吹いてください」って問合せがある理由がなんとなく理解できました。

そうですねー、以前ほど吹き付けをする塗装屋さん減りましたしね。
「吹き付けしたことがない」という塗装屋さんも今では珍しくないですからねー
トライズでは年間ほぼ毎日吹き付けの工事や塗り壁の工事をどこかしこでしています。
「覚えたい」をいうひとり親方の方なんか大歓迎です!
また、「ジョリパットの工事が決まっちゃった、どうしよう・・・」という同業の皆さん、力になりますのでいつでも連絡くださいね!



本多さん、ありがとうございました!
うちはジョリパットもに限らず流行のモールテックスやモルタルアートなんかも得意じゃないですか、こちらも伝えていきたいですね!

そうですね!
でもその前にもう一つエンシェントブリック、小粒ロックSに次ぐ人気のパターン「ミーティア」は紹介させてください!
ということで、次回はミーティア編です!

ミーティアですね、インスタグラムでも良く投稿しています!
吹き付けとコテのハイブリッド!面白そうです!
この記事の回答者 本多より
数名のチームで仕上げるエンシェントブリックなど鏝の仕上げと違い、吹き付けで仕上げる小粒ロックSは最少1人でも施工が可能です。
私は北海道や九州でも施工指導の経験があり、吹き付けをする職人さんがもっと増えて欲しいといつも思っています。
リシンなどの薄吹きと違い厚吹きは少しコツと知識が必要ですが、理屈を解っている塗装屋さんのほとんどが座学と現場を1日学習するだけでモノにしています。
ご依頼いただければ、どこでも伺いますし、愛知まで来ていただければ実際の現場で経験していただけると思いますので、この記事読んで「あっ」と思った方、遠慮なく連絡くださいね!
本多 高明 ほんだ たかあき
有限会社トライズを創業当時から支える職人
県外からも指名で呼ばれるほどの経験と確かな腕を持つ
趣味は釣り
社内では仲間想いの兄貴(お父さん)的存在
有限会社トライズ
愛知県安城市で塗装と左官を融合した特殊塗装や塗り壁、吹き付けのプロ集団です。
内装、外装仕上げにおいて常に新しいもの、機能に優れたもの、心奪われるものを探究しています。
〒446-0031
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