
《目次》
・校倉(櫛引)パターンとは
・「校倉」の難易度
・フリーハンドでいくか、定規をあてるか
・施工のポイント
今回はジョリパットの「校倉」に代表される櫛引のパターンについて鈴木が解説します

こんにちは、トライズ鈴木です。
今回は僕の一番嫌いな 校倉(櫛引)パターンについてです。
嫌いと言っても、パターンそのものは大好きなのですけどね。
でも、とにかく神経質な僕にしたら真っすぐにこだわりすぎてしまうので、胃がキリキリする仕上げのひとつではあります。

鈴木さん、宜しくお願いします。
ではさっそく猫でもわかるように優しく説明お願いします!
校倉(櫛引)パターンとは

はい、ではまず「校倉」パターンについて説明するね
「校倉」とはアイカ工業さんのジョリパットの櫛引パターンを言います。
かなり以前から存在するパターンですが、当時ジョリパットを代表するパターンだったようです。
もとはこの山型の模様が正倉院などで有名な校倉造りに似ている事からこの名前が付けられたと言われています。
ここ最近では一年に一度、依頼があるか無いかのパターンですが、塗り壁専門を謳うトライズとしては「できません」とは言えないので毎回予習してから挑んでいます。(笑)
ベルアートでしたら「シラス」 スタッコフレックスでしたら「ジャガード」と言いますね、共に山型の櫛引パターンです。



なるほど!小学校の社会で「校倉造り」を勉強したの思い出したよ!
で、お難しいんでしょ?
「校倉」の難易度

難易度★★★★☆
難易度は星4です。難しいと思います。
一言で難しさを伝えると、「曲がることなくいかに水平にラインを通せるか」になりますね。
お客さんが最初に手にするのはA4サイズのサンプルです。
A4サイズなので曲がりようもありません、綺麗な校倉をイメージしてお客さんは採用するわけですが、実際10m程度の長さの外壁を仕上げる際は熟練したテクニックが必要になります。
横のラインを真っすぐ通すのは当然で、あとは乾燥との戦いです。
塗り直しが効かないのでレーザーや、水平器などを頼りにひたすら横に引いていきます。
足場が複数段あるときは、もう一組が下の段を繋げていくのですが、櫛の当たる角度などの個人差で山の高さが変わり、色が変わって見える事もあるので要注意です。
20年前は家一軒外壁丸ごと校倉とかありましたが、最近はあまり聞かないですね。

真っすぐ何メートルも…。
フリーハンドでいくか、定規をあてるか

「校倉」や「櫛引」は手仕事感じる「フリーハンド」と高級感抜群に見せる「定規」を使う2通りの仕上げ方があるんだよ。
上のパターン画像はアイカさんのホームページよりお借りしたものですが、こちらはフリーハンドでパターンが引いてありますね。
要望が単に櫛の横引き模様でしたらフリーハンドで良いのですが、パキッとした真っすぐのボーダーをイメージされていたら定規を使わせてもらっています。
また、大きな壁も定規を使わせてもらっています。
実は定規を使ったほうが早くて綺麗に納まるので、トライズが提案する時は定規を使った塗り板サンプルを自分たちで作っています。



失敗しない為にも、施工のポイントとか聞いておきたいなー。
施工のポイント

では、簡単に説明しますね。
でもこれ、一度経験してる人はイメージし易いと思うのだけれど、やったことない人は何の事?みたいになるかもしれません。
でも覚えておくだけでも全然違うので最後まで読んでくださいね。
難しいとか、嫌いとか言っていましたが、この校倉も道具が模様を付けていくパターンなので横に引けば簡単に模様は付きます。
塗り厚と櫛を当てる角度さえ合わせれば、他の人と同じ模様が付けられます。
(※前提として、骨材の配合は守ってね)
1 塗り配りの塗り厚をそろえる。
他のパターン以上に塗り配る人は重要になってきます。これがバラバラだと模様のあるところ、模様の無いところが生まれ、見た目も残念な仕上がりになってしまいます。
2 道具の準備
主に上の写真のような櫛を使ってパターンを付けますが、斜めの部分(切妻の三角部)やサッシ廻りなど山と幅をそろえないといけない部分用に、山が2つ、4つ、6つ、8つなどの小さい櫛を事前に用意しておかないといけません。僕らはプラスチックの下敷きなどからカッターで切り出し使い捨てのつもりで事前に作っています。
3 とにかく慣れる
一昔前は結構需要のあったパターンだったので、現場ごとに前もって練習などしませんでしたが、実際足場の上であたふたしていたらもう手遅れです。
久々の方や、初めての方は事前に練習(デモ施工)しておくと良いイメージで進めると思います。




改修工事などで採用されたとき、既存の下地によってはモルタルで下地を作り直す必要があります。
※改修工事は下地によって見積もりが大きく変わることがあるので注意が必要です。


いやー、僕には難しいテーマだったけど、それでも神経使う難しいパターンて言うのは伝わりました。
鈴木さんありがとうございました!

人に伝えるのも大変だけど、猫に説明するのは至難の業ね(笑)
でも、久々に校倉やりたくなりました!
お疲れさまでした!
この記事の回答者鈴木より
最近は「校倉」減りましたね、とは言う物の、塗り壁を提案していればいつか「櫛引、校倉でお願いします」
という依頼は必ず来ます。
そんな時この記事を思い出してもらえたらと思います。
100㎡程度でも3人は揃えたほうがいいですね。
でも「実際やったことがない」「人がいない」という理由でやんわり断ったりしている方もいるのではないでしょうか。
そんな時はトライズに声かけてくださいね!
トライズは割と遠方の同業者さんからの依頼が多い方です。地元のライバル業者にだけは頼みたくないという社長さん、力になりますよ!
鈴木 健郎すずき たけお
有限会社トライズで技術を支える職人
鈴木を指名する施工店も数多く
趣味は蓄財
休日は家族で過ごす、世の中のお父さんの鏡!
内装仕上げも得意でモールテックスをはじめ、特殊仕上げの施工実績多数
有限会社トライズ
愛知県安城市で塗装と左官を融合した特殊塗装や塗り壁、吹き付けのプロ集団です。
内装、外装仕上げにおいて常に新しいもの、機能に優れたもの、心奪われるものを探究しています。
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